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2011年11月9日

働くママにエールを!(NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也さん)

投稿者
キラきゃりママ編集部 キラキャリママヘンシュウブ [Editorial department of Kira-caree Mama]
働くママとプレママのためのポータルサイト『キラきゃりママ』の編集部です。
「働くママのリアルを、みんなの知恵で支える」をテーマに子育て、仕事/キャリア、
プライベートなどの切り口から働くママ&プレママに役立つ知恵や情報を発信。
また、働くママ&プレママはもちろんのこと、各種専門家、企業、教育機関、
国や自治体などとの連携で働くママ&プレママが自らのベストワークライフバランスを
見つけることができるよう、サポートしています。

【第1回スペシャル対談】NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也さん

【テーマ】イクメンの育て方


“笑っている父親を増やそう!”をコンセプトに、
父親に特化した支援活動を展開する「NPO法人ファザーリング・ジャパン(以下、FJ)」。

講演会やセミナーを開催するほか、ファザーリング・スクール(日本初の父親学校)の開講、
「子育てパパ力(ぢから)検定」の実施、男性の育休取得推進「さんきゅーパパプロジェクト」、
産後うつの対応と予防事業「ペンギンパパ・プロジェクト」、中高年男性のエンパワーメント「イクジイプロジェクト」
など多彩な事業展開で、全国に“イクメン(育児参加に積極的な男性)”の輪を広げています。

2006年に同NPOを立ち上げた代表理事の安藤哲也さん。

3人で始めた団体も、2011年10月には、
個人会員230人/法人会員20社/サポーター7,900人の大きな組織に!

全国各地の自治体・企業などからの依頼を受けて、講演やセミナーで飛び回る日々が続きます。

私生活では中2歳女児、小5男児、3歳男児の父親。
フルタイム勤務のワーキングマザーでもある妻と協力しながら、
育児と仕事、夫婦の時間をバランスよく楽しむ安藤さんに、
パートナーとの連携の極意を聞きました。

-まず、安藤さんの1日のスケジュールを教えてください

土・日曜に講演などで、地方へ出張することが多いので、
平日働くのはだいたい6時間と決め、保育園の送迎や食事の準備
(朝食は毎日、夕食は週1回)は僕が担当しています。

必要な場合は、午前3時半とか4時に起きて、子どもが眠っているうちに仕事を片づけることも。
6時半ごろ子どもたちが起きると、食事の準備をし、上のふたりを学校に送り出します。
7時過ぎにはママと3歳児が起床。
8時15分、ママが出勤した後に、子どもと一緒にNHKの教育番組を見てから自転車で保育園へ。
いったん帰宅してキッチンの洗い物や部屋の掃除、ゴミ集め&ゴミ捨てなどの家事。
そして10時から仕事です。

夕方は午後5時には仕事を終わるようにして、洗濯物をたたみ、
ご飯を炊いて、保育園のお迎え。その前にママのビールグラスを冷やすという仕事も・・・。
これがないと怒られる(笑)。

妻が6時半には帰ってくるので7時には家族で一緒に食事をし、
お風呂→絵本→寝かしつけ。
すべての家事育児を終え、ときどき午後9時半以降に
地域のパパ友だちと飲みに行きます。

家族みんながいつも笑顔でいるために、
家庭をマネジメントしているような感覚で日々を過ごしています。
地域にはパパ友だちが約40人いて、情報交換をしたり、旅行したり、
困ったときには助け合ったり、大切な存在です。

-パートナーとうまく連携するために、工夫していることはありますか?

家族それぞれの月間スケジュールを、生協の「家族カレンダー」に書いて掲示しています。
家族5人分の予定を縦列に並べて記入。

僕の予定は、基本的に1か月前に出すようにしていて、
保育園の送り迎えは○×△、そのほか夕飯の有無など書き、
ママはそれをみて、仕事や家事を調整しながら予定を組むわけです。

ポイントは、早めの開示。当然予定が変更になることがあるので、わかり次第再調整して、
連携がうまく回るように心がけています。

-パートナーを“イクメン”に変えるよい方法はありますか?

責めても仕方ないので、まずは「パパが育児参加をすると、
こんな成果やメリットがある」ということを、
自分のことばでパートナーに伝えてみてください。

基本は夫婦で、子育てや生活の理念を持つということ。
会社でいう“ミッションステートメント”ですね。
それがないままに日々、漠然と仕事・育児をしてしまい、
何となくつらくなってる人が多いと感じます。

本来であれば、結婚する段階や子どもが生まれる前に、
「どんな家族にしたいのか」「どういう子育てがしたいのか」
「子どもをどんな人間に育てたいのか」
「子育てが終わったら私たちはどんな人生(老後)を送りたいのか」などを
話し合っておくべきなのです。

そこがしっかりしていれば、つまり夫婦で同じ方向を見ていれば、
あとはディテールの話なので、
夫婦間で衝突が起きても大きな問題にはならないと思います。

夫への問いかけのきっかけづくりが難しいという人は、
手紙を書いたり、ホテルのラウンジカフェなどオフィシャルな場所に呼び出し、
ひとりの人間同士として向き合って話をするのもおすすめ。
あらたまると相手はただごとじゃないと思うわけですよ。
離婚通知でなくてよかったって(笑)。
コミュニケーションツールとしての手紙、語り合いの場所として
ラウンジカフェは、とても有効なので実践してみてください。

-日常の接し方で気をつけることは。

ディテールでいうと、「パパは褒めて育てる」「パパにとっての嫌な上司にならない」
「家事育児の番人にならない」など。

でも、冷静に考えると、パパとママでは、家庭内における処理能力のレベルが違うだけの話。
男性はそもそも家事育児の意識が低い場合が多いし、習っていないから、
未経験のことを急にママと同じようにはできません。

なので、ママも自分の要望だけをいわないで、まず相手を受け入れてあげることも大事。
遅く帰ってくる夫に「働きすぎて大丈夫?」
「あなたの体が心配なの」「子どもと会えなくてさびしいね」と、
パートナーに思いやりの気持ちを示してください。

相手を変えるには、まず自分から。コミュニケーションの基本です。

-そう考えると家庭って、ひとつの組織みたいですね。

家族は同じ船の乗組員。なのに、お客さんになっているパパが多すぎる。
パパたちには「家族と楽しい船旅をしよう。
そのためにはママと同じミッションを共有しよう」と伝えています。

パパも家庭内の役割を持って(ママは作ってあげて)、
主力のクルーになってほしい。

そうすれば、家の中がワークシェアリングの男女共同参画社会になり、
パパもママも笑顔で生活できます。

そしてそれを見て育つ子どもたちも将来、家庭をもったときに
同じように幸せな家庭を築くと思います。

-すべてのママに、応援メッセージを。

子育ては、夫婦の期間限定のプロジェクトX。
子どもが自立していくためには、ママだけでなくパパも
乳幼児期の子どもとの関係づくりはとても大切です。

子どもが0歳ならママもパパも0歳。完璧な親はいないし、
仕事も育児も完璧を目指すのではなく成長を楽しんでください。
パパがいるなら、ぜひパパと一緒に手を取り合って。

育児はすべて思い通りにはいかないもの。
だからどう工夫したら、みんなが笑顔になるかをお互いが考える。
家族が生活を楽しむための努力をしてください。

夫婦関係もそう。日々の会話が、夕飯の要・不要や
帰宅時間の確認という「業務連絡」だけではさびしいし、
また話題が子どものことだけではなく、
将来の自分の夢とか希望とかビジョンを語り合える
コミュニケーションを持つことが理想的。

忙しい日々の中で明日をどう乗り切るかも大事だけれど、
5年後、10年後の家族のカタチ、
子どもが成長し離れていったときのことも想像して、
夫婦の絆を深めてください。

(文・構成 加藤京子)
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プロフィール

NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也さん

出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、
NPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。

「パパ’s絵本プロジェクト」メンバー、厚労省「イクメンプロジェクト」座長、
内閣府「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」委員/
「男女共同参画推進連携会議」委員、
東京都「子育て応援とうきょう会議」実行委員、
にっぽん子育て応援団団長なども務める。

『パパの極意~仕事の育児も楽しむ生き方』(NHK出版)ほか著書多数。
NHK「ラジオビタミン」レギュラー出演中。
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関連URL
NPO法人ファザーリング・ジャパン
http://www.fathering.jp/