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2013年6月20日

働くママにエールを!(インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団 代表理事 小林りんさん)【前編】

投稿者
キラきゃりママ編集部 キラキャリママヘンシュウブ [Editorial department of Kira-caree Mama]
働くママとプレママのためのポータルサイト『キラきゃりママ』の編集部です。
「働くママのリアルを、みんなの知恵で支える」をテーマに子育て、仕事/キャリア、
プライベートなどの切り口から働くママ&プレママに役立つ知恵や情報を発信。
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【第7回前編】インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団(ISAK) 
代表理事 小林りんさん

【テーマ】働くママの子育てとグローバリズム



幼児期からの英語教育も珍しくない今、国際化に目を向けつつ、
具体的にどのように子育てをしていけばいいのか、試行錯誤しているママも多いはず。

2014年秋、長野県軽井沢に、日本で初めて文部科学省の認可を受ける予定の
全寮制インターナショナルハイスクール「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢
(以下ISAK)」が開校。

アジアをはじめとする世界各国から高校生が集まり、英語で学ぶことはもちろん、
寝食をともにし影響を与え合う環境で、多様性への寛容力、問題設定能力、
リスクを取る力を備えたリーダー育成を目指します。
「次世代のアジアを担う変革者を育てる」というミッションを掲げ、従来の日本にはない
理想の学校づくりに奔走するのが、ISAK準備財団代表理事の小林りんさん。

自身もカナダの高校やアメリカの大学院で学んだ経験を持つ小林さん。
「真のグローバル人材とは?」「これから求められるリーダー像とは?」
という気になる命題に、実体験もふまえて丁寧に答えてくれました。


-リーダーシップを養うために必要な要素とは?

「リーダーを育てる」というと、政治家や企業のトップになるような
カリスマ性の強い人をイメージされがちですが、そうではなくて、
私たちが目指しているのは「それぞれの分野・それぞれの立場で、
新しいフロンティアを創り出せる人」。

中でも大切にしている基本方針が3つあります。

1つは「ダイバーシティ(多様性)」。
グローバル時代の中で、同じようなバックグラウンドの人たちだけでは、
なかなか新しいものは生まれません。未知なるものを創り出すためには、
異なる文化や宗教、複雑な歴史背景をもった多様な人たちを理解し、
多面的に関わっていくことが必要です。
「インターナショナルスクール」=「国籍が多ければいい」「授業料が高い」という
イメージが先行しますが、私たちはそこを打ち破り、奨学金を潤沢に
出すことによって、国籍の多さだけでなく、社会的・経済的なバック
グラウンドの差も内包するような学校であることを特徴としています。

2つめは「問題設定能力」。
与えられた問題をうまく早く解けばいいということではなく、解くべき
問題自体を見極められる力です。

3つめは「リスクテイキング」、つまり「失敗を恐れず、積極的にリスクをとること」。
これは私たちが全寮制である理由のひとつなのですが、「新しいことに
挑んでいきましょう」といっても、教室内での議論だけではただの机上論。
新しいことにチャレンジする際には、必ずある程度のリスクが伴います。
自然の中で1日アウトドア活動をしたり、カフェテリアや寮の運営を生徒に
ある程度任せるなど、社会や世界の縮図となるような学校の教育環境の中で、
生徒自らが判断し、責任をもって行動する機会を多く設けて、リスクを
恐れず行動する力を養います。

これらの3つの力は、どんなシーンにおいても生きてきますし、
国内に限らず世界中、特に人口やGDPの半分以上が集結するアジアで
活躍できる人材を輩出するために欠かせないものと私たちは考えています。


-日本の学校教育の問題は何だと思いますか?

そもそも日本は圧倒的に日本人が多くを占める国。
学校教育の中で、多様な人を受け入れ、様々な視点から問題を設定し
分析する力を養う機会に欠けていたと思います。
社会に対する大きな問題ではなくても、例えば、算数の問題を自分で
作ってみるというように、身近なところから課題を見つけてみてもいい。
日常生活を送る中で、「あら?」「あれ?」と思っていることに着眼し、
自分でプロトタイプ(試作)を作ってみるというのを私たちは奨励するのですが、
それを繰り返しているうちに課題に気づく習慣が身につきます。

あと、学校も先生も「リスクを軽減しよう」と動いている中で、
子どもたちに「リスクをとりながら学びましょう」と言ってもなかなか
行動に結びつきません。

何かの活動に挑戦してみるとか、既存の修学旅行を改革してみるとか、
授業の形態をがらりと変えてみるとか、先生の評価基準を改めるとか、
教育機関としての学校自らが、きちんと新しいことに常に挑み進化していく
姿勢を持てば、子どもたちも日常の中でリスクを取ることを学べると思います。
経営形態やガバナンス、競争原理ということにつながると思うけれど、
そこが今の日本ではすごく希薄であることを感じます。


-逆に、日本らしさで大切にしたい部分を教えてください。

理数教育は、圧倒的に日本は優れていると思います。
2011年の「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」で、
日本は算数理科ともにベスト5。
ここ数年学力の低下が危ぶまれているとはいえ、世界水準でみると
日本の基礎学力は大きな強みと言えます。

数学はロジックで、論理的思考能力でもあるので、それをもう少しうまく
興味とか将来の職業に結びつけられるようなインセンティブを与えてあげると
もっともっと響くと思いますね。

あとは圧倒的にしつけ。
サマースクールでも、掃除をしたり、上履きに履きかえたり、スリッパをそろえると
いうことを言わなくてもできるのは日本人。
挨拶も食事を食べる時のマナーも自然に身についているのをみると、
学校教育なのか家庭のしつけなのか、その両方なのかはわかりませんが、
規律を守るという点で日本はすばらしいと思います。


-しつけと自主性のバランスは難しいところですね。

「従順に従う」ということと「問題発見力」とのバランスは大切。
「親と先生のことばは絶対」という方針で、それを過度によしとする風潮は、
歴史ある教育機関の中でもいまだあるのかなと。
いろいろな人を敬うということと、その人に絶対服従するというのは違います。
そこでいかに好奇心の芽や衝突を恐れず異を唱えることを育んでいくかが大切です。

中編に続く・・・

働くママにエールを!(インターナショナルスクール・オブ・アジア
軽井沢設立準備財団 代表理事 小林りんさん)【中編】:
http://kiracareemama.com/2013/06/20/9417

(文・構成 加藤京子)
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プロフィール
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)設立準備財団
代表 小林りんさん
1974年、東京都出身。国立高校を中退し、カナダの全寮制インターナショナル
スクールに留学。東京大学経済学部で開発経済を学ぶ。ベンチャー企業経営などを
経て、2003年、国際協力銀行へ転職。2005年に米スタンフォード大国際教育政策学
修士号を取得。2006年から2年にわたり、国連児童基金(ユニセフ)で
フィリピンの貧困層教育に携わる。2009年4月から現職。
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ISAK概要
2014年の9月開校予定の高校1~3年男女を対象にした高等学校。
インターナショナルスクールの高等学校部門としては日本ではじめて
文科省認可を取得予定。多くの個人、法人からの支援によって奨学金制度を
充実させ、約7割を海外からの留学生と想定している。卒業資格としては、
日本の高校卒業資格+国際バカロレアディプロマの両方を取得可能。
世界10カ国以上に加盟校をもつ教育機関「ユナイテッド・ワールド・カレッジ」(UWC)と
連携交渉を進めている(日本では初)。
UWCは“国際バカロレアのトップ校の集まり”と世界的評価も高く、
毎年約140カ国の中から優秀な生徒が選ばれ、各校に派遣されている。
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関連URL
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢
http://isak.jp/jp/